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たかおちゃん (1)

朝、雪かきから戻ると夫が新聞を見ながら何か言っています。
「○△×●□・・・・」
「え?何?・・・?」
「た●×ちゃ○。。ことか??」

いつものことながら夫の声はお上品でとっても小さい。
悲しいことに寄る年波で私は難聴気味(涙)
その上、毛糸の帽子に厚いヤッケの帽子をかぶっているのですから
聞き取れないのも当たり前〜。
夫の指さす新聞記事です。





「そうだよ、これ、あのたかおちゃんのことだわ〜」
小さな囲み記事のエッセーだけれど、
私の出会うもっと前の若かりし日のたかおちゃんがそこにいました。
(夏目先生、無断での転載をお許しくださいね)



十数年前、縁有って現在の職場に勤めだした日のことが、昨日のことのように浮かびます。
忘れようったって忘れられません。(笑)

ずった、ずった、ずった、ずった!
どん!!

足をひきずる独特の歩き方で近づいてきて、
私をひたっと見据えながら、
座っている私の肩越しに担いでいたリュックを力一杯放り投げました!!
(うわ!うわ!うわ!こちらから挨拶したほうが良いのかな。。。)

ロッカーの扉をわざとのようにバタン!!バタン!!と開けたり締めたり。
(おんぼろロッカーの扉がもげるっしょや)

これ以上黒くなれないほど日焼けした顔は、眼孔するどく辺りを威圧しています。
首には真っ赤なタオル。
(うわ、目に沁みる、こんな色のタオルどこに売ってるんだべ?)

おまけにワイシャツの胸をはだけ、素肌に巻いた晒しの腹巻きをちらつかせています。
(おっかない!! だれだべこのひと? もしかしたらソノ道の人かい?)

その日から密かに恐れながらも、
コワイもの見たさで観察を続けていると???
あれ、案外めんこいんじゃない?
それに義理堅いし!
もしかしたら、かなり良い人かも???
実に愛すべきキャラクターの持ち主であるのが
すぐに判りましたよ。

いつの頃からか○○さん、○○さん(私のこと)と
何かにつけ名指しでご指名を受ける間柄になっていました(笑)
困った時のたかお頼み〜どれだけ助けられたか知れません

たかおちゃんは、素晴らしい愛妻家でもありました。
そこいらのご主人のように、オイだのコラだのとは言いません。
右を向いてはさっちゃ〜ん♪
左を向いてもさっちゃ〜ん♪
誰がいようと誰の前だろうと、ちゃんづけです。
まるで結婚前のカップル並み〜ほほえましいやら羨ましいやら(笑)
若い頃はお酒で妻を泣かせたそうですが、きっとその当時の時間を
取り返そうとしてたんだね。。。

手が荒れるからと茶碗一つ洗わせない〜だの
洗濯も一手に引き受けているらしい〜などとの
噂話は枚挙にいとまないほど。
愛妻家だね〜とひやかすと、
「なぁ〜んもよ、荒れ症だからよ、ゴム手袋をはいて茶碗を洗われるのが厭だからよ!」
ちょっとテレながら弁解してましたね。

トレードマークの真っ赤なタオルもここ数年、色が褪めてきてました。
「この頃、西○に売ってないんだわ〜」と悔しそう。
どこかで見かけたらプレゼントするね〜と約束してたんだけど・・・


たかおちゃんが逝ってから寂しくなりました。
もうすぐ半年間の冬休みが明け、職場に復帰します。
いつも顔を見るなり開口一番の決めぜりふ。
「○○さん(私のこと)肥えたんでないかぁ〜!」
「なに一人でうまいもん食ったのよ!!」
と、ちょしてくれる人はもういません。
厭でもたかおちゃんがいない事を実感させられる日が近づいています。

冒頭の新聞記事が載った日は、奇しくもたかおちゃんの四十九日法要の朝でした。
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