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おくりびと

義兄が亡くなりました。
お彼岸入りの17日の夜、訃報を貰いました。

動悸がする=心臓が悪いんだ・・・と自己診断。
近所のかかりつけの開業医の診察を受け、
不整脈の薬を貰ってきたそうです。
「茶の間で寝ているんだけど、なんか良くならないんだわ・・・お酒も飲まないよ」
と姉から電話を貰ったのは暮れの事でした。
定年退職後は検診などからも遠ざかっており
この際だから大きな病院で検査を受けたら〜と言っても
静かに寝ていたら治まる〜の一点張りだったそう。

お正月明けにかかりつけのお医者さんから、
総合病院で検査をうけるように〜との指示で、しぶしぶ受診。

右肺に水が溜まり機能しなくなっているうえ、左肺には進行癌が見つかり
体力が落ちているので手術をせず、肺の水を抜く治療と
抗ガン剤の投与をしましょうとの診断で、即、入院。
本人は無論のこと回りのものにとっても予想だにしなかった事態でした。

神経が繊細で気に病むタイプだから
本人への告知は慎重にしてほしいとの妻(姉)からの申し入れにもかかわらず
担当医の若い女医さんは、いとも簡単にストレートに
肺ガンが進行しているので手術は出来ません〜
と、本人に告げたそう。
案の定、義兄はパニックを起こし、
点滴を取ろうと暴れ、家へ帰る〜と我を忘れた行動をしたのです。

ひと月ほどして少しずつ落ち着きを取り戻し、
現実を受け入れたような変化を見せつつも
病状は徐々に進行していたようです。

お見舞いに行きたかったけれど、
我が家でも夫が体調を崩し、
ついに入院するという出来事が同時進行しており
思うにまかせずにおりました。

入院してちょうどふた月め、抗癌治療も思うような効果が見られず
終末ケアの施設のある病院への転院を勧められます。
数日間、懐かしい自宅で過ごしたあとホスピスに入院。

そこではまず末期癌患者の痛みを取り除くことが最重点ですが
最後の日まで自分らしい生き方が出来るよう配慮がなされています。
お酒も日を決めて、併設されているバーで楽しむ事が出来るそうです。

見違えるほど元気になった義兄は
「何かしたいことありますか?」とお医者さんに問われ
「お酒を一合飲みたい〜」などと妙に具体的な返答で
周囲を笑わせていたそうですが・・・。

ホスピスに転院して、わずか10日ののち、
眠るように息を引き取りました。

余命半年と聞かされていたけれど、
若いときからスポーツ万能で
昨年の秋も雪が降るまでゴルフを楽しんでいた義兄なら
きっともっと長生きしてくれるものと思っていました。
わずかふた月で逝ってしまうなんて・・・。

義兄の自宅の有る室蘭までは高速道路を使っても7時間ほどかかります。
途中、恵庭に住む娘を乗せ、湯かんに間に合うよう駆けつけました。

映画「おくりびと」がアカデミー賞受賞で話題になったばかり。
肌を見せずに着替えをさせ、
髪をなでつけ、丁寧にヒゲをあたり・・・
納棺師のかたの一挙手一投足が
連日のようにテレビで放送されていた映画の1シーンと重なって見えました。
ちょっと前まで、遺族の手で行われていた湯かんと納棺が
プロの納棺師の手に渡ったことで、
故人と家族の間にワンクッションが置かれ
家族の死を客観的に受け止める事が出来るようになった気がします。

厳かな儀式を見守るそれぞれのなかに、死を受け入れなくては・・・と
言葉以上のものを伝えてくれるような不思議な感概をうけました。

最近は結婚式などのお祝いの席より、お悔やみの席に立ち会うことのほうが多くなりました。
年を重ねるということの意味と現実なのでしょう。

私は5人姉兄の末っ子です。
今までそれぞれの連れ合いが欠けることなく
つつがなく過ごしていましたから、今回義兄を見送り、
いやが上にも色々な事を思わずにはいられませんでした・・・。




nori2herb | 家族 | 17:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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